「インターネットマガジン」が休刊、Webを主体としたクロスメディア展開へ

インターネットに関連する雑誌の草分け的な雑誌が休刊になりました。
利用者の視点で、ブログやSNSなどで情報収集、情報交換して付加価値を付けた『記事』を、『雑誌』と『Web』など、どんな媒体で、どんな形で提供していくかを考察した結果の今後の展開です。
「インターネットが存在する時代の雑誌のあり方、メディアのあり方を追求していきたい」との抱負にあるように、今後の書籍、雑誌の方向性の示す一例ではないでしょうか。

一方で、インターネットにより情報が容易に入手できるようになった結果、雑誌という媒体が持つ流通の限界も明確になってきたとして、読者の視点から媒体のあり方を再デザインすることにした。

 インプレスR&Dで展開する「クロスメディア事業」では、活動の主体はWebとなり、それをベースに出版物やイベント・セミナーなどを展開していく。雑誌や単行本の発行が主体で、Webはそれに付随するものとなっていた従来の主従関係を逆転させる。

 この狙いについては、「Webには即時性があり、ブログやSNSなどでコミュニティを形成できるメリットもある。恒常的な活動としては、収集した情報をWebやPodcastingなどネットワーク上の媒体で更新していく形となる」と説明する。一方で、「出版物は信頼性や読みやすさといった点でWebより優れており、情報をまとめて提供するのに適している」として、Webでの活動を雑誌や単行本などの出版物として発行していく。

 井芹編集長は「現状のメディアは『雑誌』『新聞』『Web』といった媒体によって規定されているが、これはあくまでも流通の都合。そうではなく読者の視点から、あるテーマに沿った情報を提供するのに適切な媒体は何かということを考えて展開していきたい」と説明する。つまり、「Web」「雑誌」という媒体が先にあるのではなく、「Web 2.0」や「ワイヤレスブロードバンド」といったテーマを切り口にしてWebや出版物を連動させていくという考えだ。