著作権の過度な保護はかえって収入減を招く

情報セキュリティ大学院大学の林紘一郎副学長(慶應義塾大学客員教授)が、「P2Pコミュニケーションの歴史的意義」と題した講演のなかで、今後の著作権保護やP2Pネットワークのあるべき姿についての持論を話されたようです。
「ファイル共有のような形態はそもそも仲間では自然発生的に起きてしまうもの」であるのに対し、権利者はどうしてもそこにClampdown(取り締まり・規制)の仕組みを入れたがるため、その2つの間でのせめぎあいは常に発生するものである」との話しはなかなか興味深い。

林氏は「今のような、法律によって一律に同じ権利を与える仕組みではなく、全く仕組みの異なる著作権処理グループが複数並存する状態を積極的に認めていかなければいけない」と述べ、それを実現する一つのアイデアとして、同氏が1999年より提唱している「マルdマーク(編集部注:○の中にd)」を紹介した。このマークのポイントは、著作権の保護期間を最大15年として5年単位で著作者側が保護期間を設定できることと、著作権を主張する著作物を原則として登録制とすることにあるという。