日本学術会議 -会長コメント

数年前から指摘や提言は色々な機関が異口同音に報告するが、いざ具体的な話しになると、国としての予算も多少付いても個別に消化されて行くだけで、全体としてはほとんど進んでいないような気がする。

日本学術会議の会長コメントに「学術情報に関する要望及び報告のとりまとめについて」が15日付で公表されていました。それによると、以下の報告書三点
1.第19期日本学術会議要望「電子媒体学術情報の恒久的な蓄積・保存・利用体制の整備・確立」
2.同「我が国英文学術誌による学術情報発信の推進について」及び
3.第5部応用物理学研究連絡委員会、工学共通基盤研究連絡委員会物理工学専門委員会、同光学専門委員会、同薄膜・界面物性専門委員会による報告「物理系学術誌の将来に向けて:??工学系分野の立場から??」

(1)は、人文社会科学を含めた学術の全領域を対象にし、学術雑誌だけでなく古典籍・古写本を含めた単行本の画像処理を進めるべきこと、行政資料から政府統計データに至るまでを電子化すべきこと、そして、急激な技術変化に即応してこれらの情報の保存を継続するように措置しなければならないことを指摘した。そして、このようなことは、個々の研究者や研究組織の対応すべき量を超えていることから、国として取り組むべきことを指摘したものである。
(2)は、学術情報の国際的対外発信の主体が英文電子ジャーナルとなりつつある現状に鑑み、電子化とアーカイヴから成る発信システムの構築を早急に進めなければ日本の学術誌が国際競争力を失うことを指摘し、学協会レヴェルを超えた対応を要望するものである。