著作権問題――「旧体制はそう簡単には壊れない」

デジタル時代に喫緊に対応しなければならないことばかりなのですが、体制を強化してでも、タイムリーに方針を出してほしいものです。

著作権法の改正対象として現在検討中、もしくは検討していくべきテーマとして吉川氏が掲げたものには、以下のようなものがある。

* 非営利、無料、無報償上映の制限
* 私的録音録画補償金制度
* 著作権の保護期間
* 中古流通のあり方
* 版面権(報償請求権)
* 技術的保護手段の回避に係る法的規制の対象拡大
* 著作権法の簡素化
* 権利制限規定のあり方
* デジタル時代に対応した法制度のあり方
* 通信役務利用放送の位置づけ

吉川氏は経済社会の発展をふまえた上で、著作権法について「100年に一度」(吉川氏)というような大きな改革を行うのではなく、戦略的かつ包括的な検討を行っていくことを方針として掲げる。その上で、「コンテンツ流通に後れを取らない法制度」「司法救済を含めた権利保護のための総合的な保証」「学校や図書館など公益的な利用への配慮」を進めていきたいとした。
また、著作物の公正使用(フェアユース)については、「フェアユースを導入して、そのガイドラインを著作権課として出すと言うことは考えられない。著作物利用に関する限界を明確に示しながらというのが現実的な対応ではないだろうか」と否定的な見解を述べた>