紙からWebへ、電子出版の新時代 (1) 電子書籍は変わるか? (MYCOM PC WEB)

電子文庫パブリ、パブリッシングリンクと出版社サイドからの電子出版物の試行が続いていますが、なかなか普及しない。紙からデジタルへの橋渡しとしての電子ペーパーもいまいち使い勝手が良さそうにみえない。「リブリエ」の2号機を期待したい。

「Timebook Town」の書籍ダウンロードは1冊210円からと安価だが、2ヶ月間のレンタルという形をとっている。古本屋などで買って、読んで、すぐに売るという事実上のレンタルで本を楽しむ人が増えてきたことを受け、この形態を選んだとのことだ。そしてそのダウンロードした作品をいつでも、どこでも、携帯して楽しめるツールが「リブリエ」だ。「リブリエ」は、ブックリーダーとしての機能だけでなく、RSS/RDFを公開しているサイトの情報やパソコンのデータが読み込めるソフト、さらに電子辞書機能を搭載している。また文字を読みやすく拡大できるなど、電子文庫ならではの便利な機能もついている。
「リブリエ」が発売されて8〜9ヶ月の現在、注目度の高さに対し、売り上げがまだまだ追いついていないと松田氏は言う。やはり4万円という価格の敷居の高さが一番問題だと松田氏は感じている。
しかし、昨年から確実に伸びている電子出版コンテンツもある。携帯電話への配信だ。携帯電話は画面の問題上、多くのコンテンツを詰め込むのには向かない。そのため、月がわりで10〜20の作品をダウンロードできるようにしている。これからも携帯電話でのコンテンツ配信には力をいれていく意向だそうだが、携帯配信で膨大な出版物を網羅することは不可能だ。やはり、手に入れやすく、機能の充実したハードの開発は欠かせない、と松田氏。リブリエの2号機では価格の面での改善やデータの長期間再覧保障などを中心に改善策を講じる予定だ。電子出版が定着すれば、小部数しか発行しない書籍をオンデマンド出版にするなど、出版界の新たな可能性も広がる、と松田氏は話していた。