著作権保護期間の70年延長に反対する

「著作権保護期間の70年延長」に対する青空文庫の活動を、大きな世論として広めていきたい。

元旦は青空文庫にとって、新しい作家を迎える節目だ。
だが、数年後からその後20年間にわたって、私たちは、著作権切れの作家を迎えられなくなる可能性が出てきた。
保護期間を、これまでの死後50年から、70年に延長しようとする動きがみえてきたからだ。
これが実現し、万が一、すでに保護期間を終えた作家にまでさかのぼって70年が適用されれば、青空文庫のリストからは、太宰治新美南吉中島敦島崎藤村泉鏡花、原民喜、斎藤茂吉海野十三峠三吉堀辰雄折口信夫中里介山小熊秀雄織田作之助黒島伝治横光利一宮本百合子与謝野晶子林芙美子などが、いったん消えることになる。
国立国会図書館は、所蔵する著作権切れ作家の書籍を画像化し、インターネットで公開する、近代デジタルライブラリー・プロジェクトを進めている。
延長が現実のものとなれば、この試みも制約される。
皆が自由に利用できるようになった作品を電子化し、インターネットで参照できるようにする試みには、まず、言葉による表現の世界で弾みがついた。やがて、音楽や映像の領域でも、成果が積み上げられていくだろう。
そうした試みによって、私たちが自由に仰げるようになる「青空」は、保護期間の延長で、確実に狭くなる。>