利用者から見た電子自治体、電子政府(2) 政府、自治体の情報提供

インターネット上で白書が全文公開されているのは、それ以前とくらべるとかなり大きな変化ではないだろうか? 政府が収集する統計情報は正確かつ網羅的なものであり、大きな経済や社会のトレンドを予測するには、非常に役立つ可能性をもった基礎統計だ。中小企業白書が全文をホームページ上で公開するようになったのは、平成11年からで、思ったよりも前からである。また、各種調査機関が行った調査も掲載されている。市場が変化しないなら、この種の統計情報などそれほど重要ではなかっただろう。しかし、現在は、市場が変化しており、市場全体に対する正確な認識をもち、予測をたてる必要がでてきている。そして、困ったことに過去の事例は参考にならないことが多い。そこで、現状の統計資料をもとに理論的に予測をたてることになる。白書は、まず基礎的な統計資料として、そういった理論的な予測に使われるのである。各種白書が、インターネット上ですぐに入手できる現状は、ビジネス的には非常によい情報インフラが整備されていることであり、もう少し注目されてもいいだろう。

各府省が単独で出している白書でさえこのような評価を受けている。これらの白書の情報が府省横断的に利用できるようになっていたらもっと評価が上がるだろうに。それに部分的に開示できない情報があるからといって、公開しない報告書が山のようにある状況ももって見直す必要がある。縦割り行政の所掌を楯に実効性のない権限を主張したり、責任逃れしてないで、国民のために政府情報の利活用を促進させることをうたっているe-JAPAN重点計画を、この辺から見ていく必要があるのではないか。