CSOフォーラム - 【危機管理と事業継続の課題】 - CSOのチャレンジすべき課題 - 科学的手法を導入した危機管理と事業継続性の構築

山口英先生が、「「認知機能の構成」,「責任構造の確定」,「情報セキュリティ対策の効能の測定方法」をBCP(事業継続計画)という観点に結び付けて解決することが重要だ」ということを講演されていました。

「情報セキュリティ・ガバナンスの構築には科学的な視点・手法が必要になる」。奈良先端科学技術大学院大学教授の山口 英氏は,CSO(chief security officer)フォーラムが主催して2006年4月に東京で開かれた「危機管理と事業継続の課題」セミナーで,このように指摘した。その上で,CSOが直面する3つの課題,すなわち「認知機能の構成」,「責任構造の確定」,「情報セキュリティ対策の効能の測定方法」をBCP(事業継続計画)という観点に結び付けて解決することが重要だと強調する。例えば,東京航空交通管制部のシステム・ダウンによる航空ダイヤの大混乱,東京証券取引所のプログラム・ミスによる5時間余りの取引停止など,IT(情報技術)に関係する事故が多発している。これらの事故は,経営問題に直結するだけではなく,社会全体に大きな影響を与える。そのため,CSR(企業の社会的責任)の観点から,事故による被害を最小限に食い止め,事業を継続させる責務が企業にはある。こうした流れを受け,情報セキュリティ・ガバナンスの必要性が高まっており,CSOには危機管理体制とBCPの構築が求められている。本記事は,同セミナーにおける山口氏の講演の要約である。