CNET Japan Blog - 近藤淳也の新ネットコミュニティ論:情報の私物化を禁止する

組織の中での情報共有や、外に向けてのナレッジの提供を推進するためには必要な姿勢です。大多数の人が同意し理解できる情報だけしかなかった場合、そのナレッジデータベースには付加価値はないものになり利用されません。

ここで大事なのは、「その情報を出すべきかどうか」を情報発信者が判断するのではなく、全ての情報を出しておいて、情報閲覧者が「その情報を読むべきかどうか」を判断すればよい、と考えることです。
ですから、「まるで興味の無い話をこんな場所に書くな」みたいな話が出た時には、どうすれば興味のある話だけを読む仕組みが作れるか、と考えるべきで、どうしたら興味の無い話を書く社員の口をふさげるか、を考えてはいけないと思います。
「情報の私物化の禁止」、「情報の取捨選択は閲覧者が行う」といった原則を継続的に徹底していくには、注意深く日々の業務を見直し続ける努力が必要です。
こうした努力を継続的に行っていくには、各社員の中に情報共有に対する前向きな姿勢や理想像が必要ですが、自分自身、こうした姿勢がどこから来たのかを考えてみると、このブログの最初の頃に触れた少年時代の情報の隠蔽への嫌悪感に近い意識や、オープンソースプロジェクトに対する感動などが影響していると感じます。